
【フィリピン人事労務】試用期間「6ヶ月ルール」の落とし穴を回避する|不当解雇リスクを防ぐ適正運用の鉄則
この記事のポイント(Executive Summary)
- 6ヶ月の壁:試用期間は最長6ヶ月。1日でも過ぎれば自動的に「正規雇用」へ昇格する。
- 告知の義務:採用時に「正社員登用の基準」を明文化して伝えていない場合、試用期間中の解雇は困難。
- 延長の禁止:安易な試用期間の延長は違法リスクが高い。適切な評価スケジュールの策定が不可欠。
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日本国内の深刻な労働力不足を背景に、フィリピン人材の活用に踏み切る企業が急増しています。彼らの高い英語力やホスピタリティ、そして若さ溢れるエネルギーは、貴社の成長を牽引する大きな原動力となるでしょう。
しかし、フィリピンでの雇用管理、特に「試用期間(Probationary Period)」の運用には、日本とは大きく異なる法的ルールが存在します。これを誤解したまま運用すると、思わぬ「不当解雇」の訴えを起こされ、多額の損害賠償や強制的な職場復帰を命じられるリスクがあります。
本記事では、フィリピン労働法における「6ヶ月ルール」の正体と、リスクを最小限に抑えつつ優秀な人材を定着させるための鉄則を解説します。
1. フィリピンにおける「試用期間」の法的定義と自動昇格
フィリピン労働法(Labor Code)第281条において、試用期間は「原則として6ヶ月を超えてはならない」と定められています。日本でも試用期間は一般的ですが、フィリピンにおけるこのルールの運用は極めて厳格です。
最も注意すべきは、「自動昇格(Automatic Regularization)」の仕組みです。試用期間の最終日(通常は入社から180日目)を超えて1日でも勤務を継続させた場合、特段の契約を交わしていなくとも、その従業員は法律上「正規雇用(Regular Employee)」として扱われます。正規雇用になると、フィリピン特有の強い「雇用保障(Security of Tenure)」が適用され、解雇のハードルが飛躍的に高まります。
⚠️ 日本人マネージャーが陥りやすいミス
「もう少し様子を見たいから、試用期間をあと3ヶ月延長しよう」という判断は、原則として認められません。事前の合意や特殊な職種を除き、安易な延長は「正規雇用への転換」とみなされ、後の解雇が「不当」と判断される決定的な要因となります。
2. 試用期間中の解雇を有効にする「合理的基準」の明示
試用期間中であれば、いつでも自由に解雇できるわけではありません。法律上、試用期間中の解雇が認められるのは以下の2ケースのみです。
- 正当な理由(Just Cause):横領、著しい不誠実、業務命令違反など。
- 適格性の欠如:採用時に提示した「正社員登用のための合理的基準」を満たさなかった場合。
ここで多くの企業が躓くのが、2点目の「基準の提示」です。最高裁の判例により、雇用主は採用時(初日)に従業員に対し、「何を達成すれば正規雇用になれるのか」という基準を具体的に書面で通知しなければならないとされています。このプロセスを怠ると、たとえ能力不足が明らかであっても、それを理由にした解雇は法的に無効となる可能性が極めて高いのです。
3. 正規雇用と試用期間雇用の比較
フィリピンにおける雇用形態の違いを正しく理解するために、以下の比較表をご活用ください。
| 項目 | 試用期間雇用 (Probationary) | 正規雇用 (Regular) |
|---|---|---|
| 期間の制限 | 最長6ヶ月(原則) | 期間の定めなし |
| 解雇の難易度 | 比較的低い(基準未達による終了が可能) | 非常に高い(厳格な正当理由が必要) |
| 基準提示の義務 | 必須(入社初日) | ー |
| 福利厚生 | 法定福利(SSS/PhilHealth等)は初日から必須 | 同左 + 会社独自の福利厚生(通常) |
4. 不当解雇リスクを回避する「適正運用」の4ステップ
フィリピンでの人事労務において、トラブルを未然に防ぐための実務的なステップは以下の通りです。
Step 1:雇用契約書への基準明記
「売上目標」「勤怠状況」「スキル習得度」など、定量的・定性的な基準を雇用契約書、またはその付随文書に明記し、本人に署名させます。
Step 2:定期的な評価面談の実施(1ヶ月・3ヶ月・5ヶ月)
6ヶ月目に突然「不合格」を言い渡すのはリスクがあります。1ヶ月目、3ヶ月目に中間評価を行い、改善が必要な点は書面(Performance Improvement Plan)で指摘を残しておくことが、万が一解雇が必要になった際の強力なエビデンスとなります。
Step 3:5ヶ月目終了時点での最終判断
自動昇格を防ぐため、遅くとも試用期間終了の1ヶ月前には、正規雇用に切り替えるか、契約を終了するかを決定します。
Step 4:書面による通知
正規雇用への転換、または試用期間満了による終了のいずれの場合も、必ず書面で通知を行います。特に契約終了の場合は、法律に則った通知期間(Notice Period)を遵守する必要があります。
結論:ミスマッチを防ぐ「採用力」が最大のリスクヘッジ
フィリピン労働法の「6ヶ月ルール」は、一見すると雇用主にとって厳しい制約に見えます。しかし、これは「適切な人材を、適切な基準で評価し、育成する」という健全なマネジメントを促すためのルールでもあります。
不当解雇リスクを最小化する最大の手立ては、法務的な手続きを完璧にすることに加え、そもそも「自社の社風と業務に適した人材を入り口で厳選すること」に他なりません。
Link Asia Manpower Solutionsは、フィリピン現地のネットワークを駆使し、貴社の求めるスキルとマインドセットを兼ね備えた人材をスクリーニングします。また、採用後の労務管理に関するアドバイスも含め、貴社のフィリピン人材活用を包括的にサポートいたします。人材不足の解消と、トラブルのない組織運営の両立を、私たちと共に実現しませんか?
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