DMW規則の目的:公正で倫理的な採用の実現

本規則は、フィリピン政府がOFW(海外フィリピン人労働者)の権利保護と福祉促進を目的として定めた、海外雇用における最も包括的な法的枠組みです。特に**二重徴収の排除、連帯責任、そして最高水準の労働条件の確保**が柱となっています。日本の受け入れ企業様には、この規則の遵守が、優秀なフィリピン人労働者を継続的に受け入れるための信頼基盤となります。

DMWは、海外雇用を「国の発展手段」ではなく「労働者の選択肢」として位置づけており、雇用主様には最高水準の労働条件と福祉の提供を求めています。

最重要労働者から徴収禁止

日本は、DMW規則上、募集手数料を労働者から徴収が禁止されている国に該当します。募集・紹介費用は、**すべて雇用主側の負担**が義務付けられています。(第56条、第58条)

連帯責任Joint & Solidary Liability

雇用契約の不履行や労働者の送還義務に関するすべての請求に対し、**雇用主とリンクアジアは法的に連帯責任**を負います。コンプライアンスの不徹底は、双方のリスクとなります。(規則II, Part I & 第158条)

重大違反給与控除の禁止

雇用主が負担すべき費用を労働者の給与から**控除すること**や、違法な手数料を徴収することは、**認定の永久的な失格**につながる重大な違反です。(第59条、第140条)

費用負担の明確なルール

企業様が全額負担する費用(雇用主の義務)

ビザ・許可証関連 ビザ(スタンプ料を含む)、労働許可証、居住許可証の申請・取得費用
渡航・移動費 **往復航空券**(フィリピン⇔日本)、空港から職場までの国内交通費
フィリピン政府機関手数料 DMW処理手数料、OWWA(海外労働者福祉局)会費、FEGF(保証基金)への拠出(政府間協定の場合)
募集・評価費用 募集および紹介の費用全般、雇用主が必要とする**追加の技能試験/評価**、訓練費用(※リンクアジアサービス料に含まれる項目)

労働者本人が負担できる費用(極めて限定的な文書作成費用)

個人文書の取得費 パスポート費用、NBI/警察証明書、PSA認証済みの出生証明書
資格・学歴証明 専門職免許(PRC発行)、能力証明書(TESDA発行)、成績証明書の認証費用
健康診断 DOH所定の医療/健康診断費用
社会保険 フィルヘルス、パグイビッグ、社会保障制度への加入料
**斡旋手数料**は日本向け派遣では**徴収禁止**です

II. 採用の前提:「元請/雇用主の認定」と連帯責任の範囲

  • 元請/雇用主の認定 (Accreditation)(規則I, Part III):
    • **認定の必要性:** 労働者の募集・雇用を行うには、MWO(海外移住労働者事務所)またはDMWによる**認定**が必要です。リンクアジアはこの認定プロセスをサポートします。
    • **認定の有効期間:** 5年以内。更新にはMWOによる定期的な**労働条件の再確認**が必要です。
    • **認定停止事由:** 労働者への契約義務違反、送還要請の不履行、未成年者の雇用など。(第108条)
  • 連帯責任 (Joint & Solidary Liability) の範囲(規則II, Part I & 第158条):
    • **責任の対象:** 雇用契約の不履行から生じるすべての請求、特に**労働者の送還義務**(遺体輸送、航空運賃、入国管理罰金など)に及びます。
    • **送還の第一義的責任:** 労働者の過失の有無を問わず、元請/雇用主と募集機関の**第一義的な連帯責任**として送還を実行しなければなりません。
    • **費用回収の制限:** 費用を労働者から回収できるのは、雇用の終了が**労働者の過失のみ**によることが立証された場合に限定されます。

VII. DMWによる行政手続き、施設の閉鎖、および認定の維持

  • 閉鎖命令(第93条・第94条):
    • **権限:** 非認可業者の活動が公序良俗に危険をもたらす場合、DMWは裁定担当次官を通じて**閉鎖命令**を発行できます。
    • **効果:** 閉鎖命令の対象となった団体の役員は、**違法募集のブラックリスト**に含まれ、政府のプログラムへの参加資格を失います。
  • 元請/雇用主の認定(第107条):
    • **有効期間:** 認定は**5年**を超えない期間が有効です。
    • **MWOによる停止権限(第108条):** 労働者の送還拒否、契約上の義務の意図的な違反、未成年者の雇用などが判明した場合、MWOは**60日を超えない期間**認定を停止できます。
  • 認定の譲渡と制限(第114条):
    • **譲渡の条件:** 雇用主の認定は、他の認可募集機関に譲渡可能ですが、**価格の下げがあってはなりません**。
    • **連帯責任の継続:** 送還や死亡した従業員の遺骨の返還の場合、**譲受機関と譲渡機関の両方が連帯して責任**を負います。
    • **譲渡の延期:** 労働者の金銭債権や送還に関する係属中の要求がある場合、認定の譲渡は延期されることがあります。(第115条)

VIII. 労働者の派遣手続き、雇用基準、および現場での福祉監視・送還義務

  • OFWの派遣に関する規定:
    • **展開の許容国:** 労働者の権利が保護されている国にのみ展開が許可されます。(第117条)
    • **OEC/OFWクリアランス:** 労働者が海外雇用旅行をする資格を証明する文書。最初の展開は**60日間**、再雇用は**90日間**有効です。(第124条)
    • **直接雇用の禁止:** 法律またはDMWによる免除がない限り、雇用主は労働者を**直接雇用してはならない**。(第126条)
  • 雇用基準と開示:
    • **最低基準の確保:** DMWは労働者にとって**最良の雇用条件**を確保するための最低雇用基準を策定します。(第135条)
    • **開示義務:** 認可された募集機関は、契約前に労働者にその権利と義務、および雇用の**全条件を開示**しなければなりません。(第137条)

募集違反と懲戒処分

IX. 雇用主と労働者への罰則

雇用主に対する違反

  • 重大な違反 (永久失格)
    • **不当な手数料徴収または給与控除**(第140条 a, b)
    • **賃金および福利厚生の不払いまたは過少支払い**(第140条 i)
    • 労働者の重傷、障害、死亡につながる重大な過失(第140条 c)
    • 労働者への重大な不正行為(第140条 d)
    • 労働者の不利益になるように、正式な契約を代替または変更すること(第140条 j)
  • 軽微な違反 (6ヶ月〜1年停止)
    • 労働者に対するその他の契約上の義務の不履行(第140条 a II)
    • 労働者の旅行およびその他の関連文書の差し控え(第140条 b II)
    • 労働者の負傷または病気につながる過失(第140条 e II)

労働者に対する懲戒処分

  • 重大な違反 (1〜2年停止)
    • **求職・雇用の目的で偽造文書を使用すること**(第141条 a)
    • 雇用契約署名後の職場への出発を不当に拒否すること(第141条 b)
    • フィリピンまたは受入国の法律で罰せられる重罪または犯罪の実行(第141条 c)
    • 雇用契約の不当な終了(第141条 j)
  • 軽微な違反 (6ヶ月〜1年停止)
    • 雇用契約の不当な違反(第141条 a II)
    • 受入国の宗教的および文化的慣行の違反(第141条 c II)
    • 雇用主の資金およびその他の財産の横領(第141条 b II)

X. 募集機関に対する違反の分類

  • 重大な違反(ライセンスの取り消し/付随罰則)
    • **未成年者の展開**(第139条 a)
    • **虚偽の情報または架空の文書の提供**(ライセンス申請/更新時)(第139条 b)
    • **手数料禁止国への派遣で手数料を徴収すること**(第139条 m)
    • **元請/雇用主にのみ請求可能な費用を労働者に転嫁すること**(第139条 n)
    • 労働者の死亡、虐待につながる支援要請に不合理に対応しなかったこと(第139条 o)
    • DMWの承認なしに、労働者の不利益になるように契約を変更すること(第139条 p)
  • 軽微な違反(6ヶ月1日〜1年間の停止)
    • 特別募集権限なしに、登録場所以外で募集活動に従事すること(第139条 g II)

OEC未取得時の法的制裁内容


1. 送り出し機関への罰則

  • 【条項】RA 8042 Sec. 6, RA 11641 Sec. 15, 16
  • 【内容】
    • OEC未取得等の違法送り出しに対し「6年以上12年以下の禁錮刑」「20万ペソ以上50万ペソ以下の罰金」
    • DMWより「事業停止命令」「ライセンス取消」「ブラックリスト登録」「永久業務停止命令」等の行政処分

Any person found guilty of illegal recruitment shall suffer the penalty of imprisonment of not less than six (6) years and one (1) day but not more than twelve (12) years and a fine of not less than Two hundred thousand pesos (P200,000.00) nor more than Five hundred thousand pesos (P500,000.00).


2. 雇用主への罰則

  • 【条項】RA 11641 Section 15, 16
  • 【内容】
    • 違法な雇用やOEC未発行による労働者受け入れの場合、雇用主も「ブラックリスト登録」「今後のフィリピン人採用の永続的な禁止」「DMWによる行政処分」の対象

The Department may, after due process, cancel or suspend the license of erring recruitment agencies, or blacklist employers involved in violations of overseas employment laws.


3. 労働者本人への影響

  • 【条項】RA 8042 Section 6, 30
  • 【内容】
    • OEC未取得の場合、フィリピンの空港検査で出国できません
    • 万が一不正ルートで出国し就労した場合も、帰国時や在外公館での手続きで問題が発覚すると「強制送還」などの措置
    • 労働災害・契約トラブル時に政府サポート(労災保護・医療・法的支援)が受けられない

All Filipino workers to be deployed for overseas employment must secure an OEC prior to departure.

Link Asia Manpower Solutions Corp.のコミットメント

リンクアジアは、DMWのコンプライアンス要件を満たし、日本の受け入れ企業様と連携します。**公正な採用と透明性の徹底**により、雇用主様が安心してフィリピン人労働者を受け入れられるよう、持続可能で高品質なサービスを提供いたします。

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