
この記事のポイント(Executive Summary)
- 制度を理解することで外国人材の「将来不安」を解消: 脱退一時金の仕組みを正しく説明すれば、従業員は「万が一の時もお金が戻る」と安心し、長期勤続の動機付けになります。
- 最新の受給要件を把握: 2022年の法改正により、厚生年金加入期間が6か月以上10年未満であれば請求可能に。上限は5年分の加入期間に対応する額です。
- 企業の実務負担を軽減する一元管理: Link Asiaはフィリピン現地の送出機関として、制度の正しい知識を候補者に事前教育し、帰国時の手続きもサポートします。
外国人材の定着率向上へ!厚生年金脱退一時金制度の最新情報と企業の実践的活用法
少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、外国人材の採用は多くの日本企業にとって不可欠な経営戦略となっています。しかし、採用に成功しても、早期離職や予期せぬ帰国によって投資したコストが回収できないというリスクは常につきまといます。そんな中、雇用主と従業員の双方にメリットがある「厚生年金脱退一時金制度」を戦略的に活用することで、外国人材の定着率向上に繋がることをご存じでしょうか。
本記事では、Link Asia Manpower Solutions(リンクアジアマンパワーソリューションズ)の公式チームが、この制度の最新情報と、企業が実践すべき活用法をB2Bリクルーティング・コンプライアンスの視点から解説します。
なぜ今、厚生年金脱退一時金制度が外国人材の定着率向上に直結するのか
フィリピン人材をはじめとする多くの外国人労働者にとって、日本で働く最大の目的は母国への送金と将来の資金形成です。しかし、「日本の年金は自分に還元されるのか」という不安が、早期帰国や転職の原因になるケースが少なくありません。
厚生年金脱退一時金制度は、日本を離れる際に過去の厚生年金加入期間に応じた一時金を受け取れる制度です。2021年・2022年の法改正により、最長5年分の加入期間に対応する額(上限)を、厚生年金加入期間が6か月以上10年未満であれば請求可能になりました。これにより、短期間で帰国する場合でも、支払った保険料の一部が戻ってくるという安心感が生まれます。
💡 プロの視点
この制度を「帰国時の還付金」とだけ捉えるのは勿体ありません。企業がこの制度のメリットを入社時や定期的な面談で丁寧に説明することで、「この会社は将来まで考えてくれている」という信頼感が生まれ、結果として定着率の向上に直結します。特にフィリピン人は家族を大切にする文化があり、将来の資金計画を重視する傾向が強いため、この制度の正しい理解は強力なエンゲージメントツールとなります。
最新の制度改正ポイントと受け入れ企業が知っておくべき変更点
2021年4月施行の法改正では、厚生年金加入期間が6か月以上(従来は12か月以上)で脱退一時金の請求が可能になりました。さらに2022年4月からは、加入期間の上限が従来の3年から5年分に拡大され、より多くの金額を受け取れるようになりました。具体的には、平均標準報酬月額に支給率を掛けて算出し、加入期間が長いほど支給率が高くなります(例:60か月以上で支給率5.0)。なお、脱退一時金を受け取った期間は年金記録から削除され、将来の年金受給資格にはカウントされません。
| 加入期間 | 支給率 | 概算額の目安(月額30万円の場合) |
|---|---|---|
| 6か月以上12か月未満 | 0.5 | 約15万円 |
| 24か月以上30か月未満 | 2.0 | 約60万円 |
| 54か月以上60か月未満 | 4.5 | 約135万円 |
| 60か月以上(上限5年分) | 5.0 | 約150万円 |
※受給資格を得るには、日本出国後2年以内に申請する必要があります。雇用主は退職時にこの期限を従業員に明確に伝えましょう。
脱退一時金を「離職促進」から「長期勤続の動機付け」に変える企業の実践的活用法
多くの企業がこの制度を「帰国時の手続きの一つ」と捉えていますが、それではもったいない。以下の3つの視点で活用することで、定着率向上に直接貢献します。
- 入社時オリエンテーションでの制度説明: 「日本で働くメリット」として、脱退一時金の仕組みを英語やタガログ語の資料を用いて説明します。フィリピン人材は将来設計に敏感で、明確な還元があると知れば安心して長く働く意欲が湧きます。
- 定期的な「キャリア・年金面談」の実施: 年1回、加入期間の経過に伴い受け取れる金額が増えることを具体的な数字で示します。例えば「あと2年頑張れば、一時金が約〇万円増える」と提示することで、目先の条件で転職することを抑制します。
- 帰国時の手続き代行支援: 退職時に申請書類の準備を会社がサポートすることで、従業員は「最後まで面倒を見てくれる会社」と感じ、退職後も良い口コミが広がります。これは将来のリファラル採用にも繋がる効果があります。
⚠️ 注意点
脱退一時金はあくまで「帰国後の還付」であり、在職中は受け取れません。また、受給するとその期間の年金記録は消えるため、将来的に再入国して働く場合には不利になる可能性があります。この点を正直に伝えた上で、長期的なキャリアプランと照らし合わせたアドバイスが求められます。
申請プロセスを効率化し、従業員満足度を高める実務ポイント
企業が退職時の手続きをスムーズに進めるためには、以下のポイントを押さえましょう。
| ポイント | 具体的なアクション |
|---|---|
| 事前準備 | 退職予定日の1か月前から必要書類(年金手帳、在留カード等)を整理し、本人に案内する。 |
| 申請期限の徹底 | 退職日から2年以内。社内カレンダーでリマインドを設定する。 |
| 源泉徴収の確認 | 非居住者には20.42%の源泉徴収が必要。租税条約で非課税となる国もあるため、国税庁の最新情報を確認する。 |
| 多言語での説明資料 | 英語・タガログ語の手続きガイドを用意し、解約後の連絡先を明確に示す。 |
これらの実務を自社だけで行うのは負担が大きいと感じる方もいるでしょう。Link Asiaでは、フィリピン人材の採用プロセスの中で、脱退一時金を含む社会保障制度の基礎知識を現地での事前研修に組み込んでいます。入国前に「日本で働く意義」を理解した人材を紹介することで、貴社の定着率向上を下支えします。
よくある質問(FAQ)
Q1. 厚生年金脱退一時金と社会保障協定の関係は?
社会保障協定は主に年金の二重加入防止や期間通算を目的としており、脱退一時金とは別の制度です。協定を結ぶ国によっては、一時金の受給が制限される場合があるため、対象国のルールを確認する必要があります。
Q2. フィリピン人材が脱退一時金を受け取る際の税務上の注意点は?
日本とフィリピンの租税条約では、脱退一時金に関する非課税規定はありません。そのため、原則として20.42%の源泉徴収が行われます。ただし、非居住者としての取扱いや条約の改正状況により変わる可能性があるため、最新の情報を専門家に確認することをお勧めします。
Q3. 企業側で脱退一時金の申請を代行することは可能ですか?
可能ですが、本人の署名や在留カードの写しなど、本人にしか取得できない書類が必要です。会社は書類の準備をサポートし、申請の流れを案内するのが現実的です。Link Asiaでは、帰国後の連絡手段なども含めた総合的なサポートをフィリピン現地で提供しています。
まとめ:制度を「味方」につけ、外国人材の長期活躍を実現する
厚生年金脱退一時金制度は、適切に活用すれば外国人材の「将来不安」を取り除き、長期勤続の強力な動機付けになります。単なる法定手続きとしてではなく、企業のリテンション戦略の一環として位置づけることが重要です。
Link Asia Manpower Solutionsは、フィリピン政府公認の送出機関として、採用前の教育から入国後の定着支援まで一気通貫でサポートします。制度の正しい理解を促進し、貴社と人材の長期的な信頼関係構築をお手伝いします。
「自社の外国人材にどう説明すればよいか」「手続きの負担を減らしたい」というご担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。
御社の即戦力となるフィリピン人材を。MWO手続きから採用まで一気通貫でサポート。
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