
介護・福祉の現場で外国人材、とりわけフィリピン人スタッフの採用を検討する際、「現場の専門用語についていけるだろうか」という不安を抱える経営者・施設長は少なくありません。日常会話とは異なる介護独特の言葉は、現場でのスムーズな業務定着に直結する重要な要素です。本記事では、Link Asia Manpower Solutionsが、フィリピン人スタッフが来日前に行っている日本語・介護学習の取り組みと、現場での受け入れに向けた心構えについて解説します。
この記事のポイント(Executive Summary)
- 専門用語への不安:介護独特の日本語(体位や症状、現場の隠語など)は、外国人スタッフが初期に直面しやすい壁の一つ。
- パートナー校での事前学習:Link Asiaの候補生は、来日前に提携の日本語ビジネスセンターにて、介護に必要な基礎知識や専門用語を学んでいます。
- 現地講師による直前指導:出国前のオリエンテーションは、フィリピン現地の講師が対面で丁寧に実施し、心構えを作ります。
1. 介護現場で求められる「専門用語」の壁とは
介護の現場では、一般的な日本語学習だけでは絶対に触れることのない「現場特有の言葉」や「専門用語」が毎日飛び交います。これらは利用者の安全なケアや、日本人スタッフとの正確な申し送り、介護記録の記入において避けては通れない言葉です。
フィリピン人材は高いコミュニケーション能力やホスピタリティを持つ一方で、漢字が連続する専門用語や、日本語独特の言い回しには最初は戸惑うこともあります。そのため、現場に配属されてからゼロからすべてを教えるのではなく、「来日前にどれだけ介護の言葉に触れているか」が、初期の受け入れをスムーズにする鍵となります。
2. パートナー日本語学校で実施される介護・日本語教育(重要語彙50選)
Link Asiaがご紹介するフィリピン人候補生は、ただ日本語を学ぶだけでなく、提携している日本語ビジネスセンター(SAMURAI Japan Business Center)にて、介護の専門知識や用語のカリキュラムを履修しています。
学校での授業を通じて、以下のような現場で頻出する基本的な重要語彙をあらかじめ学習し、意味や背景を理解した上で来日します。(※以下は候補生が学校の授業内で勉強している用語の例です。採用企業様への用語集の配布や提供は行っておりません)
① 身体の部位・体位・姿勢に関する用語
| 漢字 / 言葉 | 読み方 | 意味・現場での補足 |
|---|---|---|
| 仰臥位 | ぎょうがい | 仰向け(あおむけ)に寝た姿勢のこと。 |
| 伏臥位 | ふくがい | うつ伏せ(うつぶせ)に寝た姿勢のこと。 |
| 側臥位 | そくがい | 横向きに寝た姿勢のこと。 |
| 端座位 | たんざい | ベッドの端などに腰掛け、足を下ろした姿勢のこと。 |
| 立位 | りつい | まっすぐ立った姿勢のこと。 |
| 座位 | ざい | 椅子や床に座った姿勢のこと。 |
| 臀部 | でんぶ | おしりのこと。褥瘡(床ずれ)ができやすい重要部位。 |
| 踵 | かかと | 足の後ろの部分(Heel)。 |
| 患側 | かんそく | 麻痺や怪我がある、動きが悪い方の側のこと。 |
| 健側 | けんそく | 麻痺などがなく、健康で動かせる方の側のこと。 |
② 症状・状態・バイタルに関する用語
| 漢字 / 言葉 | 読み方 | 意味・現場での補足 |
|---|---|---|
| 褥瘡 | じょくそう | 床ずれ(Bedsore)。同じ姿勢が続いて皮膚が赤くなったり傷つくこと。 |
| 誤嚥 | ごえん | 食べ物や水分が誤って気管(肺の方)に入ってしまうこと。 |
| チアノーゼ | ちあのーぜ | 酸素が不足して、唇や爪が紫色になる危険な状態。 |
| 浮腫 | ふしゅ | 「むくみ」のこと。足などに水分が溜まって腫れる状態。 |
| 掻痒感 | そうようかん | 「かゆみ」のこと。介護記録でよく使われる表現。 |
| 表皮剥離 | ひょうひはくり | 皮膚の表面がめくれて、すり傷のようになること。 |
| 失禁 | しっきん | トイレが間に合わず、尿や便が出てしまうこと。 |
| 拘縮 | こうしゅく | 関節や筋肉が固まって、曲がりにくく伸びにくくなること。 |
| 眩暈 | めまい | 目がまわる、立ちくらみがすること。 |
| 嘔吐 | おうと | 食べたものを吐いてしまうこと。 |
③ 日常の介助(食事・入浴・排泄・移動)に関する用語
| 漢字 / 言葉 | 読み方 | 意味・現場での補足 |
|---|---|---|
| 清拭 | せいしき | 入浴できない利用者の体を、温かいタオルで拭いてきれいにすること。 |
| 移乗 | いじょう | ベッドから車椅子など、乗り物や椅子へ乗り移ること。 |
| 移動 | いどう | 別の場所へ進む、歩く、車椅子を押して進むこと。 |
| 拡声 | かくせい | 大きな声で話すこと。耳が遠い利用者に対応する際に用いる。 |
| 刻み食 | きざみしょく | 噛む力が弱い人のために、細かく包丁で刻んだ食事。 |
| ミキサー食 | みきさーしょく | 噛む・飲み込む力が非常に弱い人のため、ミキサーで液体状にした食事。 |
| とろみ | とろみ | 誤嚥を防ぐため、お茶などの水分につけるドロっとした粘り気。 |
| 陰部洗浄 | いんぶせんじょう | オムツ交換の時などに、デリケートゾーンを温水ボトル等できれいに洗うこと。(現場では「陰洗(いんせん)」と略される) |
| ポータブルトイレ | ぽーたぶるといれ | ベッドの横などに置いて使う、持ち運びができる移動式トイレ。 |
| 体位変換 | たいいへんかん | 褥瘡(床ずれ)を防ぐため、寝ている利用者の向きを定期的に変えること。(現場では「体変(たいへん)」と略される) |
④ 認知症・精神面に関する用語
| 漢字 / 言葉 | 読み方 | 意味・現場での補足 |
|---|---|---|
| 認知症 | にんちしょう | 脳の働きが低下し、記憶や判断力が失われていく病気。 |
| 徘徊 | はいかい | 目的が分からずに、施設内や外を歩き回ってしまうこと。 |
| 見当識障害 | けんとうしきしょうがい | いまの「時間」や、自分がいる「場所」、目の前の「人」が分からなくなること。 |
| 物取られ妄想 | ものとられもうそう | 「財布を盗まれた」など、自分のしまい忘れを人のせいに思い込んでしまうこと。 |
| 幻視 | げんし | 実際にはいない人や、存在しない虫などが見えると訴える症状。 |
| 不穏 | ふおん | 気持ちが落ち着かず、大声を出す、そわそわして怒りっぽくなっている状態。 |
| 傾眠 | けいみん | 日中、声をかけると起きるが、すぐにウトウト眠ってしまう状態。 |
| 夕暮れ症候群 | ゆうぐれしょうこうぐん | 夕方になると、「家に帰る」と落ち着かなくなったり不安が増したりする症状。 |
| 異食 | いしょく | ティッシュやオムツ、石鹸など、食べ物ではないものを口に入れてしまうこと。 |
| せん妄 | せんもう | 意識が一時的に混乱し、興奮したりおかしなことを言ったりする状態。 |
⑤ 施設内の運用・シフト・申し送りに関する現場用語
| 漢字 / 言葉 | 読み方 | 意味・現場での補足 |
|---|---|---|
| 申し送り | もうしおくり | 次のシフト(夜勤から日勤など)のスタッフへ、利用者の状態や注意点を伝える会議。 |
| 日勤 | にっきん | 昼間の時間帯に働くシフトのこと。 |
| 夜勤 | やきん | 夕方から翌朝までの、夜間の時間帯に働くシフトのこと。 |
| 早番 | はやばん | 通常の日勤よりも早い朝の時間からスタートする勤務。 |
| 遅番 | おそばん | お昼前など、遅い時間からスタートして夜まで働く勤務。 |
| 見守り | みまもり | 直接手は貸さないが、転倒などの事故が起きないようにそばで様子を見ること。 |
| ナースコール | なーすこーる | 利用者がベッドやトイレから職員を呼ぶためのブザー・ボタン。 |
| 介護記録 | かいごきろく | 利用者の食事量や排泄、様子の変化をパソコンやノートに書き残す仕事。 |
| 外出行事 | がいしゅつぎょうじ | お散歩やお買い物など、利用者を連れて外に出るイベント。 |
| レクリエーション | れくりえーしょん | 利用者の体操、ゲーム、歌などを皆で行う時間。(現場では「レク」と略される) |
※フィリピン人材の気質や特徴については、フィリピン人のホスピタリティ精神や離職防止のマネジメント手法の記事でも詳しく解説しています。
3. フィリピン現地での確実な出国前オリエンテーション
日本への出発が近づいた候補生たちに対しては、最終的な心構えや日本の生活習慣、現場でのコミュニケーションに関する「出国前オリエンテーション」を実施しています。
このオリエンテーションは、リモート形式ではなく、フィリピン現地のトレーニングセンターにて、フィリピン人の担当講師が対面で直接指導を行います。同じフィリピン人という立場で、日本で働く上での注意点や、現場でよく使われる挨拶・フレーズを対面でしっかりと叩き込むことで、強い意思と安心感を持って日本へ出発できるよう導いています。
4. Link Asia による一気通貫のサポート
外国人材を採用するにあたり、現地の状況が見えにくいことは企業様にとって大きな不安要素となります。Link Asiaでは、採用手続きから出国前の教育管理まで、一貫してスムーズな進行をサポートしています。
日本の介護施設様からのご相談、お申し込み、手続きに関するご質問などに対しても、常に誠実かつ迅速な対応を心がけております。フィリピン本社のリソースを最大限に活かし、日本での受け入れが円滑に進むようお手伝いいたします。
よくある質問 (FAQ)
Q: 候補生は来日前にどの程度介護の言葉を理解していますか?
A: パートナーの日本語ビジネスセンターにて、基本的な介護用語や知識のカリキュラム(上記でご紹介したような50種類の基本単語など)を履修しています。ただし、現場特有のルールや実際の介護機器の使い方、施設固有の呼び方などは異なりますので、配属後のOJTを通じて少しずつ馴染ませていただく必要があります。
Q: 出国前のオリエンテーションはどのように行われますか?
A: フィリピン現地のトレーニングセンターにおいて、フィリピン人の先生が対面で指導を行います。日本の文化、職場でのマナー、基礎的なコミュニケーションなど、現地で直接顔を合わせるからこそ伝わる緊張感と安心感を持って教育しています。
Q: なぜLink Asiaが選ばれるのでしょうか?
A: 採用手続きのサポートから、現地のビジネスセンターと連携した事前教育まで、透明性の高いプロセスを提供している点です。また、複雑なOEC(海外雇用証明書)の手続きに関しても、フィリピン政府認定機関として確実なノウハウを有しています。
まとめ:事前の基礎学習を土台にした受け入れを
フィリピン人材は、もともと高いホスピタリティと明るい人柄を備えており、適切な環境があれば素晴らしい活躍を見せてくれます。彼らが提携校で学んできた介護の基礎知識を土台に、現場の皆様があたたかく迎えていただくことで、より強固な信頼関係が生まれます。
Link Asia Manpower Solutionsは、確実な手続きと誠実な対応で、御社の外国人材採用をトータルに支えます。まずは現在の採用計画や課題について、お気軽にご相談ください。
御社の即戦力となるフィリピン人材を。MWO手続きから採用まで一気通貫でサポート。
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